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2-13. 特定化学物質障害予防規則(特化則)対応の実務チェックリスト

  • yutofukumoto
  • 8月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月22日

特定化学物質障害予防規則(特化則)は、労働安全衛生法に基づき、発がん性や毒性を有する特定化学物質を取り扱う際に遵守すべき規則です。ベンゼン、アスベスト、クロム化合物、ニッケル化合物、ジクロロメタンなど多くの物質が対象となり、製造・使用・取り扱い事業者は厳格な管理が求められます。違反が発覚すると行政指導や刑事罰の対象となるため、実務に即したチェックリストを用意して管理状況を点検することが不可欠です。



1. 対象物質の特定とリスト化


・ 特化則対象物質を取り扱っているか確認する。

・ SDS(安全データシート)を入手し、含有量と規制対象区分を明確にする。

・ 事業所内で使用される特定化学物質のリストを作成・更新する。



2. 設備・作業環境管理


・ 換気装置(局所排気装置)が適切に設置・稼働しているか。

・ 排気経路やフィルターの点検記録を残しているか。

・ 密閉化、機械化による曝露防止措置が講じられているか。

・ 作業環境測定を6カ月以内ごとに実施しているか。



3. 作業方法の管理


・ 特定化学物質を扱う手順書(SOP)が整備されているか。

・ 作業中の飲食・喫煙禁止など、曝露防止ルールを徹底しているか。

・ 廃液や廃棄物の処理方法が法令に適合しているか。



4. 個人用保護具(PPE)の整備


・ 防毒マスク、防護手袋、防護衣などが適切に支給・使用されているか。

・ 保護具の選定が特化則に適合しているか。

・ フィットテストや着用指導が定期的に行われているか。



5. 健康管理と教育


・ 特定化学物質取扱者への特殊健康診断を実施しているか。

・ 記録を30年間保存しているか。

・ 作業従事者に対して、法定の安全衛生教育を定期的に実施しているか。

・ 健康診断結果に基づき、必要な就業制限や作業転換措置を行っているか。



6. 記録・報告体制


・ 作業環境測定記録、点検記録、健康診断記録を適切に保存しているか。

・ 行政への必要な届出(有害物取り扱い作業主任者選任など)が完了しているか。

・ 異常時の報告フローと是正措置が文書化されているか。



7. 監査・改善活動


・ 内部監査で特化則遵守状況を定期的に確認しているか。

・ 指摘事項を改善計画に反映させているか。

・ 衛生委員会や安全衛生委員会で特化則対応状況を報告・議論しているか。


特定化学物質は健康被害のリスクが大きく、事故発生後の対応では遅すぎます。上記のチェックリストを用い、計画的に管理を徹底することで、法令遵守と従業員の健康確保を両立させることができます。

 
 
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