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2-16. ISO45001内部監査の準備・実施・是正措置フロー

  • yutofukumoto
  • 8月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月22日

ISO45001は労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であり、内部監査はその有効性を確認し、継続的改善を推進するための重要なプロセスです。内部監査は単なる形式的な活動ではなく、現場のリスク把握や改善活動の定着を確認する手段として機能させる必要があります。ここでは、ISO45001内部監査の準備から実施、そして是正措置までの流れを解説します。



1. 内部監査の準備


内部監査を効果的に行うためには、事前準備が欠かせません。


・ 監査計画の策定:毎年の監査スケジュールを作成し、対象部門や範囲を明確化します。

・ 監査員の選定:部門間で利害関係が生じないように、客観性を担保できる監査員を配置します。必要に応じて内部監査員養成研修を受けさせることも有効です。

・ チェックリストの作成:ISO45001要求事項、法令遵守項目、過去の不適合事例を盛り込んだチェックリストを準備します。

・ 事前資料の収集:マニュアル、手順書、リスクアセスメント結果、教育記録、災害発生報告などを確認しておきます。



2. 内部監査の実施


監査実施では、計画に基づき効率的に現場を確認することが求められます。


・ オープニングミーティング:監査の目的、範囲、方法を説明し、被監査部門と認識を共有します。

・ 文書レビュー:規程や記録がISO45001の要求事項に適合しているか確認します。

・ 現場観察とインタビュー:作業現場を巡視し、従業員へのヒアリングを通じて、実際の運用状況と手順の整合性を確認します。

・ 証拠の収集:観察結果やヒアリング内容を客観的証拠として記録し、判断に活用します。



3. 不適合の特定と報告


監査結果に基づき、不適合や改善の余地を整理します。


・ 不適合区分:重大不適合(規格要求や法令違反)、軽微不適合、改善提案に分類します。

・ 監査報告書の作成:不適合事項を根拠とともに明示し、改善要求を具体的に記載します。

・ クロージングミーティング:被監査部門に結果を説明し、是正措置計画の必要性を伝えます。



4. 是正措置フロー


内部監査の目的は不適合の発見だけでなく、その是正と再発防止にあります。


・ 原因分析:不適合の根本原因を特定するために、なぜなぜ分析や特性要因図を活用します。

・ 是正措置計画の策定:期限、責任者、具体的対策を明記した是正計画を作成します。

・ 実施と確認:改善策を実行し、再度内部点検またはフォロー監査で有効性を確認します。

・ 記録の保存:是正措置の一連の流れを記録に残し、次回監査や外部審査で活用します。



5. 継続的改善への活用


内部監査はPDCAサイクルの一部として位置付けられ、単発で終わらせるのではなく、次年度の監査計画やリスクマネジメントの見直しにつなげることが重要です。監査結果を経営層に報告し、労働安全衛生目標の達成状況や改善課題を全社的に共有することで、ISO45001の有効性を高めることができます。


ISO45001内部監査を形式的なチェックにとどめず、準備・実施・是正措置の流れを確実に運用することで、安全文化の醸成と企業価値向上を実現できます。

 
 
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