2-18. サプライヤー監査で問われるEHSチェックリストと改善指導方法
- yutofukumoto
- 2025年8月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年8月22日
サプライチェーン全体の持続可能性を高めるためには、サプライヤーに対するEHS(Environment, Health, Safety:環境・安全・衛生)監査が不可欠です。企業は自社のコンプライアンスだけでなく、取引先のEHS管理水準を確認し、必要に応じて改善を指導する責任を負っています。特にCSR調達やESG投資の観点からも、サプライヤー監査は国際的に重要視されています。ここでは、サプライヤー監査で問われるEHSチェックリストの主要項目と、効果的な改善指導の方法を解説します。
1. サプライヤー監査の目的と重要性
サプライヤー監査は、取引先が法令を順守しているか、労働環境や安全衛生管理が適切か、環境負荷低減に取り組んでいるかを確認するために実施されます。労働災害や環境事故が発生すれば、自社ブランドへの信用失墜につながるため、監査を通じた予防が重要です。また、国際規格ISO14001やISO45001、RBA行動規範への適合性確認も含まれます。
2. EHS監査チェックリストの主要項目
監査時に確認すべき代表的な項目は以下の通りです。
・ 環境管理:廃棄物の分別・処理方法、排水・排ガスの測定と記録、化学物質管理(SDS整備、PRTR対応)。
・ 安全衛生管理:労働安全衛生委員会の設置、リスクアセスメント実施、作業手順書や緊急時対応マニュアルの有無。
・ 労働環境:労働時間管理、児童労働や強制労働の禁止、適正な労働契約。
・ 設備の安全性:機械の防護カバーや非常停止装置、定期点検の記録。
・ 教育・訓練:従業員への安全教育や化学物質取り扱い教育の実施状況。
これらはチェックリスト形式で事前に提示し、サプライヤーが自己点検できるようにすると効果的です。
3. 監査実施の流れ
・ 事前準備:監査計画を策定し、監査基準と対象範囲を通知。
・ 現地確認:書類審査と現場視察を組み合わせ、記録と実態の乖離がないか確認。
・ 従業員ヒアリング:安全衛生教育の浸透状況や労働条件を把握。
・ 結果報告:不適合事項を具体的に指摘し、改善の期限を明示。
4. 改善指導の方法
不適合が見つかった場合は、単に指摘するだけではなく、改善指導を行うことが重要です。
・ 是正要求書の発行:不適合の内容、改善期限、責任者を明記。
・ 改善の優先順位付け:重大リスクから順に取り組ませる。
・ ベストプラクティスの共有:他社事例や自社の成功例を提示し、実行可能な改善策を示す。
・ フォローアップ監査:期限後に改善状況を再確認し、未改善の場合は取引条件の見直しを検討。
5. 継続的パートナーシップの構築
監査は一方的な評価ではなく、サプライヤーと共に改善を進める「パートナーシップ」の姿勢が求められます。教育や研修を提供し、改善活動を支援することで、サプライチェーン全体のEHSレベルを底上げできます。
サプライヤー監査におけるEHSチェックリストと改善指導を体系的に運用することで、企業はリスクを低減し、持続可能な調達と信頼性の高いサプライチェーンを実現できます。


