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2-2. 工場現場でのリスクアセスメント手順と見落としがちなポイント

  • yutofukumoto
  • 2025年8月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年8月22日

工場現場におけるリスクアセスメントは、労働者の安全と健康を守るために欠かせない取り組みです。労働安全衛生法に基づき、多くの事業場で実施が求められており、効果的に行うことで労働災害や事故を未然に防止できます。しかし、手順が形骸化したり、重要なリスクを見落とすことで、本来の目的が果たせなくなる場合があります。そこで、基本手順と注意すべきポイントを整理します。


リスクアセスメントの基本手順は以下の流れになります。


1. 対象作業の特定:機械操作、化学物質取扱、搬送作業など、リスクが存在する作業を洗い出します。

2. 危険性・有害性の特定:転倒、挟まれ、感電、化学物質曝露など、具体的にどのようなリスクがあるかを明確化します。

3. リスクの見積もり:発生頻度と被害の程度を評価し、リスクの大きさを数値化またはランク付けします。

4. リスク低減対策の検討:リスクが大きいものから優先順位をつけ、回避・代替・工学的対策・管理的対策・保護具使用といった階層的アプローチで対策を検討します。

5. 実施とフォローアップ:決定した対策を実行し、その効果を定期的に検証して改善を続けます。


一方で、現場でよく見落とされるポイントがいくつかあります。第一に、非定常作業のリスクです。定期点検や設備トラブル時の応急処置などは通常業務に比べて危険が高いにもかかわらず、対象から外されがちです。第二に、心理的・人間工学的リスクです。長時間労働や過度の集中を要する作業は事故発生の誘因となるにもかかわらず、物理的リスクほど注目されません。第三に、サプライヤーや協力会社作業員のリスクです。外部作業者が工場に入る際の危険要因やルール周知が不十分だと事故につながります。


さらに、リスク評価が一度限りの「書類作成」で終わるケースも見受けられます。実際には、作業手順や設備変更があれば再評価を行い、常に現場に即したアセスメントとすることが求められます。また、評価結果を現場労働者と共有し、日常業務に落とし込むことも重要です。


工場現場でのリスクアセスメントは、単なる法令対応にとどまらず、安全文化の基盤をつくるプロセスです。見落としを防ぐためには、現場の声を積極的に取り入れ、継続的に見直しと改善を行う姿勢が不可欠です。

 
 
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