2-4. 職場巡視(パトロール)の実務ノウハウとチェックリスト
- yutofukumoto
- 8月20日
- 読了時間: 2分
更新日:8月22日
職場巡視(パトロール)は、労働安全衛生管理活動の基本であり、現場に潜む危険源を早期に発見して災害を未然に防止するために欠かせない取り組みです。単に形だけの巡視で終わらせず、実効性のある活動にするには、明確な目的意識とチェックリストに基づいた体系的な確認が必要です。
まず、職場巡視の基本的な流れは、①巡視計画の立案、②実際の現場確認、③指摘事項の記録、④是正措置の実施、⑤フォローアップというサイクルです。計画段階では、重点的に確認すべき作業エリアやリスク要因を明確化し、必要に応じて安全衛生委員会で事前に議論します。また、巡視の頻度は月1回以上が望ましいとされますが、危険度の高い現場では週次や日次での点検が効果的です。
実務上のポイントとしては、まず「見える化」を意識することが重要です。現場の清掃状態、通路や避難経路の確保、標識や表示の明瞭さなど、外見から判断できる安全管理状況をチェックします。さらに、機械設備の異常音や振動、化学物質の保管状態、作業者の保護具着用状況といった動的な要素にも注目しなければなりません。
チェックリストの例としては以下が挙げられます。
・ 通路・階段・非常口が塞がれていないか
・ 消火器・防火設備が適切に配置・点検されているか
・ 機械設備にガードや安全装置が正しく装着されているか
・ 電気配線や延長コードに損傷や過負荷がないか
・ 化学物質がラベル付き容器に適切に保管されているか
・ 換気装置が稼働しており作業環境測定値が基準内か
・ 作業者が適切な保護具(ヘルメット、安全靴、保護メガネ等)を使用しているか
・ 作業手順書が掲示され、現場で遵守されているか
・ 労働者の疲労や不安全行動が見られないか
巡視時には「指摘事項を責める」のではなく、「改善のための気づき」として共有する姿勢が重要です。現場労働者との対話を通じて、実際に困っている点や危険を感じている作業について意見を収集することも効果的です。
最後に、巡視で指摘した事項は放置せず、責任者と期限を明確にして改善を推進し、次回巡視で是正状況を確認する仕組みを徹底する必要があります。職場巡視は継続的改善の原動力であり、安全文化の浸透に大きく寄与します。


