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2-6. 廃棄物処理業者選定・委託契約で確認すべき10の項目

  • yutofukumoto
  • 8月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月22日

廃棄物処理法に基づき、排出事業者には「排出者責任」が課されており、廃棄物を自ら適正に処理するか、適正に許可を受けた処理業者に委託する必要があります。仮に委託先業者が不適正処理を行った場合でも、排出事業者が責任を問われることがあるため、業者選定や契約段階での確認は極めて重要です。以下では、委託契約時に必ず確認すべき10の項目を整理します。



1. 許可証の有効性と範囲

産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可証が有効期限内であり、対象となる廃棄物の種類が含まれているか確認します。コピーを必ず入手し、定期的に更新状況をチェックすることが必要です。



2. 処理施設の所在地と種類

実際に処理を行う施設がどこにあり、どのような方法(焼却、破砕、中和、最終処分など)で処理されるのかを確認します。現地確認を行うと信頼性が高まります。



3. マニフェスト(産業廃棄物管理票)の対応体制

マニフェストの発行・返送が適切に行われる体制を整えているか確認します。返送遅延が多い業者は要注意です。



4. 不適正処理防止の実績

過去に行政処分や違反歴がないかを調査します。自治体の公表情報を確認することが有効です。



5. 財務基盤と事業継続性

突発的な廃業や倒産により処理が滞るリスクを避けるため、財務状況や事業規模も考慮する必要があります。



6. 契約内容の明確性

委託契約書には、処理する廃棄物の種類・数量・処理方法・委託範囲を明確に記載し、法定記載事項を漏れなく盛り込むことが必須です。



7. 緊急時対応能力

事故や災害発生時の対応手順を有しているか確認します。特に化学物質を含む廃棄物では重要です。



8. 情報開示姿勢

処理工程や処理後の状態について適切に情報提供できるかどうかは、業者の信頼性を測る指標になります。



9. 従業員教育と資格

運転手や処理施設従業員が必要な資格を有しているか、安全教育を受けているかを確認します。



10. 環境配慮とCSRへの取り組み

環境マネジメントシステムの導入やCSR活動の有無も、長期的に信頼できる業者かどうかの判断材料になります。


以上の項目を確認し、可能であれば定期的に現地監査を行うことで、委託先の適正性を維持できます。廃棄物処理業者の選定と契約は、単なる事務手続きではなく、企業の法令遵守と社会的信用を守る根幹に関わる重要な業務です。


 
 
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