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4-12. アフリカ新興国におけるEHS課題と持続可能な開発目標(SDGs)

  • yutofukumoto
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年8月22日

アフリカ新興国は豊富な資源と成長ポテンシャルを有し、国際企業の進出先として注目を集めています。しかし、環境(Environment)、労働安全衛生(Health & Safety)、社会(Social)の観点から見ると、多くのEHS課題が存在しており、持続可能な開発目標(SDGs)との関連性がますます重要になっています。企業が現地で持続的に事業を展開するためには、これらの課題を把握し、SDGsと連動した戦略を実行することが不可欠です。



1. 環境課題とSDGsとの関連


アフリカでは森林伐採、砂漠化、水資源の不足といった環境問題が深刻化しています。鉱山開発や農業拡大に伴う土地利用の変化は生態系を脅かし、地域住民の生活基盤にも影響を及ぼしています。SDGs目標6「安全な水と衛生」や目標15「陸の豊かさを守ろう」に直結する課題であり、企業は水利用の効率化、廃水処理、持続可能な土地管理への投資を進める必要があります。



2. 労働安全衛生と人的資本の確保


多くの新興国では労働安全衛生法制が未整備、または実効性に乏しい状況があります。鉱業や建設業など高リスク産業では事故や職業病が頻発し、ILO基準に満たない労働条件が課題となっています。SDGs目標8「働きがいも経済成長も」に対応するためには、企業自らが国際基準に沿った安全教育、防護具の提供、労働時間の管理を徹底することが求められます。



3. サプライチェーンと人権デューデリジェンス


アフリカ新興国では児童労働や強制労働の問題が依然として存在します。特に紛争鉱物を含む資源サプライチェーンでは、国際的な監視や規制が強化されており、SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」との関連が深い分野です。欧州の人権デューデリジェンス義務化の流れを受け、日本企業もサプライチェーン全体での透明性確保と監査体制の強化が必要です。



4. 公衆衛生とコミュニティとの共生


マラリアや感染症、HIV/AIDSといった公衆衛生の課題は、労働力の安定確保や地域社会との信頼関係に直結します。SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献するためには、企業が現地医療への支援や予防プログラムを推進することが効果的です。また、教育支援やインフラ整備を通じて地域と共生する姿勢は、長期的な事業継続に不可欠な要素となります。



5. 企業に求められる対応策


企業がアフリカ新興国でEHS課題に対応するためには、以下の施策が重要です。


* ISO14001やISO45001の導入による国際基準への準拠

* SDGsに紐づけたEHS目標の設定とKPI管理

* サプライチェーン全体における人権デューデリジェンス体制の構築

* 地域住民との対話による合意形成と社会貢献活動の実施

* 投資家向けにEHS活動とSDGs達成への貢献を情報開示



まとめ


アフリカ新興国におけるEHS課題は複雑かつ多面的であり、SDGsとの関連性を踏まえた包括的アプローチが必要です。企業は環境保護、労働安全、人権尊重、地域共生を総合的に推進することで、持続可能な開発と自社の企業価値向上を同時に実現することができます。

 
 
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