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4-17. 米国カリフォルニア州の独自規制とグローバル企業の課題

  • yutofukumoto
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年8月22日

米国カリフォルニア州は、全米の中でも特に厳格かつ先進的な環境・労働安全衛生(EHS)規制を導入している州として知られています。その独自規制はしばしば連邦法よりも厳しく設定され、全米の規制動向に影響を与えるケースも少なくありません。グローバルに事業展開する企業にとって、カリフォルニア州規制への対応は大きな課題であり、同州でのコンプライアンスを怠れば法的リスクやブランド毀損に直結します。



1. カリフォルニア州の特徴的な規制枠組み


代表的なものとして、環境規制では「プロポジション65(Prop 65)」が挙げられます。これは発がん性や生殖毒性が確認された化学物質を含む製品について、消費者への警告表示を義務付ける制度であり、対象物質は900種類以上に及びます。また、労働安全衛生分野では「Cal/OSHA」が独自の規制を制定しており、全米のOSHA基準よりも詳細かつ厳格な職場安全基準が定められています。加えて、気候変動対策として炭素排出取引制度(Cap-and-Trade Program)や厳しい自動車排ガス規制(CARB規制)も導入されています。



2. グローバル企業が直面する課題


カリフォルニア州の規制は米国内でも例外的に厳しいため、他州と同じ対応では不十分になる場合があります。例えば、Prop 65の警告表示義務は輸出製品やECサイトを通じた販売にも及ぶため、日本企業を含む海外メーカーも対象となります。また、Cal/OSHAに準拠した職場安全対策を実施しなければ、同州に拠点を構える工場や物流施設では罰則や操業停止リスクが生じます。特に化学物質管理、労働安全教育、環境モニタリングの分野で追加的なコストや人材リソースが必要となり、グローバル企業の負担が大きくなります。



3. 実務対応のポイント


・ 規制情報の常時モニタリング:Prop 65の物質リストは年に数回更新されるため、迅速な情報収集体制が必須です。

・ サプライチェーン管理:部材や原材料に対象物質が含まれていないか、サプライヤーからの証明書やSDSの取得を徹底することが重要です。

・ 現地規制当局との連携:Cal/OSHAやCARBの監査に備え、現地の法律事務所やコンサルタントを活用することで対応力を高められます。

・ グローバル基準との整合性:ISO14001やISO45001などの国際規格と連動させ、グローバルで統一的にEHS管理を行うことで効率的な対応が可能となります。



4. まとめ


カリフォルニア州の独自規制は、米国市場に限らず国際的な規制潮流に影響を及ぼす存在です。グローバル企業は同州を「規制の先行指標」と捉え、Prop 65やCal/OSHAへの対応を通じて世界各国での規制強化にも備えることが重要です。単なるコンプライアンス対応にとどまらず、規制遵守を企業ブランド向上や市場競争力強化の機会とすることが、持続可能な成長戦略につながります。

 
 
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