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4-4. 東南アジア諸国のEHS法規制比較と進出企業の留意点

  • yutofukumoto
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年8月22日

東南アジア諸国は近年、経済成長に伴い環境・労働安全衛生(EHS)に関する法規制を強化しています。日本企業が進出やサプライチェーン構築を行う際には、各国の規制の違いを理解し、現地事情に即したEHS対応を取ることが不可欠です。本記事では、主要国であるタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンの規制動向を比較し、進出企業が押さえるべき留意点を解説します。



1. タイのEHS規制


タイは「労働安全衛生法」や「環境保護法」を基盤とし、化学物質管理や産業廃棄物処理に関して厳格な規制を導入しています。特に工業団地内の工場は、定期的なEHS監査や排出報告が義務付けられており、日本企業も本社基準だけでなく現地基準を遵守する必要があります。



2. ベトナムのEHS規制


ベトナムは「労働安全衛生法」(2015年施行)や「環境保護法」(2020年改正)を通じ、労働者保護と環境保全を同時に強化しています。特に、排水や廃棄物管理において許可取得や監査対応が必須であり、違反すると操業停止や高額の罰金が科されます。サプライチェーンにおいても労働環境や化学物質使用状況の開示を求められるケースが増えています。



3. インドネシアのEHS規制


インドネシアは「環境保全法」や「労働法」に基づき、排出基準や労働条件に厳格な制限を設けています。特に、環境アセスメント(AMDAL)の実施は大規模工場に必須であり、手続きを怠ると許可が下りず操業できないリスクがあります。加えて、労働安全衛生教育の実施や定期的な現場監査が求められています。



4. マレーシアのEHS規制


マレーシアでは「環境品質法」と「労働安全衛生法」が主要な枠組みです。特に化学物質規制においては、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に基づくSDS提出やラベル表示が義務化されています。また、工場・機械法に基づく設備点検の義務もあり、安全管理体制の整備が不可欠です。



5. フィリピンのEHS規制


フィリピンは「労働安全衛生基準規則」や「環境法」を通じて、事業者に包括的なEHS対策を求めています。特に、台風や地震といった自然災害リスクを踏まえたBCP(事業継続計画)策定が重要で、労働者保護と災害対応を組み合わせた管理体制が求められます。



6. 進出企業の留意点


・ 現地法令の定期モニタリング:規制は頻繁に改正されるため、最新情報を常に把握する必要があります。

・ 本社基準との二重管理回避:グローバル基準を維持しつつ、現地特有の要求に対応する柔軟な体制が必要です。

・ サプライヤー管理の強化:現地調達先のEHS遵守状況を監査し、違反リスクを未然に防ぐことが求められます。

・ 人材教育の徹底:現地従業員へのEHS教育と安全文化の浸透が不可欠です。



まとめ


東南アジア諸国のEHS法規制は一様ではなく、それぞれの国情に応じた重点が置かれています。進出企業は各国の特徴を理解し、EHSリスクを適切に管理することで、コンプライアンス確保と持続的な事業成長を両立させることが可能です。

 
 
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