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5-18. サイバーセキュリティとEHSシステムのリスク管理

  • yutofukumoto
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年8月22日

近年、工場やオフィスにおけるEHS(環境・労働安全衛生)管理システムは、IoTやクラウドを活用したデジタル化が進んでいます。センサーによる労働環境の監視、クラウド型EHS管理システム、AIによるリスク予測などは、安全性向上や効率化に大きく貢献します。しかし同時に、これらのシステムはサイバー攻撃のリスクにもさらされており、サイバーセキュリティ対策はEHS管理の重要課題となっています。



1. EHSシステムが抱えるサイバーリスク


EHSシステムは、労働者の健康データ、化学物質の管理情報、設備の稼働状況といった機密性の高い情報を扱います。これらが外部に漏洩すると、企業の信用失墜や法令違反につながる可能性があります。また、制御システムが不正アクセスを受ければ、機械の誤作動や生産ライン停止、さらには労働災害の発生といった深刻な事態を招くリスクもあります。



2. サイバー攻撃の具体例


標的型メールによるマルウェア感染や、不正アクセスによるデータ改ざんは代表的な脅威です。また、ランサムウェアにより重要な安全データが暗号化され、システムが停止する事例も増加しています。EHSシステムは工場のIoTデバイスや遠隔監視カメラと連動することが多いため、これらの機器が攻撃の入り口となるケースも少なくありません。



3. サイバーセキュリティ対策の基本


EHSリスク管理においては、技術的対策と組織的対策の両面が必要です。技術的には、ファイアウォールやIDS/IPSの導入、データの暗号化、多要素認証の活用が重要です。組織的には、定期的なセキュリティ教育、インシデント対応手順の策定、外部専門家による脆弱性診断が求められます。さらに、ベンダーやサプライヤーも含めたサイバーセキュリティ基準を設定し、調達先に遵守を求めることも有効です。



4. サイバーセキュリティとEHS統合の意義


EHSシステムのリスク管理は、安全対策とサイバーセキュリティを統合的に考えることで強化されます。例えば、異常データの検出は、設備トラブルだけでなくサイバー攻撃による操作の痕跡である可能性もあります。そのため、IT部門とEHS部門が連携し、インシデント発生時の初動対応や情報共有体制を整備することが不可欠です。



5. 将来的な展望


今後は、AIを活用したサイバー攻撃検知やゼロトラストセキュリティの導入がEHSシステムにも普及すると考えられます。これにより、データの完全性とシステムの可用性を確保しながら、安全で持続可能なEHS管理を実現できるでしょう。



まとめ


サイバーセキュリティは、現代のEHSリスク管理において避けて通れない課題です。技術的な防御策に加え、組織全体での意識向上と部門横断的な対応体制を築くことが、労働安全と環境保全を守りつつ企業の信頼を維持するために不可欠です。

 
 
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