8-17. 生物多様性保全とEHS管理の接点
- yutofukumoto
- 2025年8月20日
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更新日:2025年8月21日
生物多様性保全は、気候変動対策と並んで企業の持続可能性に直結する重要な課題となっています。EHS(環境・健康・安全)管理は従来、労働安全や法令順守を中心としてきましたが、近年は自然資本や生態系への影響を含めた総合的なマネジメントが求められています。そのため、生物多様性保全とEHS管理の接点を理解し、実務に組み込むことが企業価値向上に不可欠です。
まず、環境面における接点として、事業活動が生態系に及ぼす影響の評価があります。工場建設や資源採取などは、生物多様性の喪失リスクを伴うため、環境アセスメントやリスクアセスメントを通じて影響を定量的に把握することが重要です。EHS管理の枠組みを活用すれば、法令遵守だけでなく、生態系保全を意識した持続可能な事業運営が可能になります。
次に、健康・安全面との接点として、生態系の劣化は従業員や地域住民の健康リスクを高める可能性があります。例えば、水質汚染による健康被害や、森林破壊による感染症リスクの拡大は企業活動と無関係ではありません。EHS部門が生物多様性の視点を取り入れることで、職場や地域社会の安全と健康を守る取り組みが強化されます。
また、国際的にはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)やCSRD(企業サステナビリティ報告指令)など、生物多様性に関する情報開示の枠組みが進展しており、EHS管理と統合的に対応することが求められています。企業が生物多様性への影響を定量的に把握し、EHSデータと連動させて開示することは、投資家やステークホルダーからの信頼獲得にもつながります。
総じて、生物多様性保全とEHS管理は、環境リスクの低減、社会的責任の履行、企業価値の向上という共通の目的を持っています。企業は、従来のEHSマネジメントに生態系保全の視点を取り入れ、グローバル基準に沿った持続可能な経営戦略を構築することが重要です。


