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8-8. カーボンプライシングがEHS戦略に与える影響

  • yutofukumoto
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年8月22日



カーボンプライシングは、温室効果ガス排出に価格を付与する仕組みであり、カーボン税や排出量取引制度(ETS)などが代表的です。気候変動対策の強化に伴い、多くの国や地域で導入が進んでおり、企業のEHS(環境・健康・安全)戦略に直接的な影響を及ぼしています。


第一に、コスト構造の変化です。炭素排出量に応じたコストが課されるため、エネルギー多消費型の製造業や物流業では、経営に大きな負担となる可能性があります。これに対応するため、企業は省エネルギー投資や再生可能エネルギーの導入を加速し、EHS戦略の中に「低炭素経営」を組み込む必要があります。


第二に、リスク管理の重要性です。カーボンプライシング制度は地域ごとにルールが異なり、国際的に事業を展開する企業は複数の規制に対応する必要があります。EHS部門は、各国のカーボンプライシング政策を把握し、コンプライアンス違反や予期せぬコスト増を防ぐリスク管理体制を強化しなければなりません。


第三に、ステークホルダーへの情報開示です。投資家や顧客は、企業の気候変動対応に高い関心を持っており、カーボンプライシングの影響を踏まえた戦略や数値目標の開示が求められています。EHS部門は、サステナビリティ報告やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿った情報発信を通じて、透明性を高める役割を担います。


さらに、イノベーション促進の契機にもなります。カーボンプライシングを単なるコスト負担と捉えるのではなく、低炭素製品の開発やサプライチェーン全体での排出削減を推進することで、新たな競争優位を築くことが可能です。


このように、カーボンプライシングは企業のEHS戦略において「コスト管理」「リスク対応」「情報開示」「イノベーション」の観点から大きな影響を与えています。今後は、グローバルな制度拡大を見据え、EHS部門が経営戦略と一体となってカーボンニュートラルへの道筋を描くことが不可欠です。

 
 
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